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SENKO HONBU
2024.01.04

バルコニーの修理は火災保険適用?

自宅のバルコニーに何か被害があった場合、火災保険で修理することができるのか疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
壊れてしまった際の修理は、時間とお金がかかり、所有者にとって大きな負担となりますよね。

この記事でわかること

バルコニーの修理を火災保険で補償することが可能なのかについて解説します。

火災保険でバルコニーの修理が可能なケース

結論から言うと、火災保険でバルコニーの修理を行うことは可能です。バルコニーやベランダは、
火災保険において「建物」とみなされます。そのため、補償内容が「建物」である場合、バルコニーやベランダも
対象となります。分譲マンションの場合、一般的にバルコニーは共用部分とみなされますが、バルコニー付きの部屋には
専用使用権が与えられます。そのため、マンション規約によっては、バルコニーを所有・管理している方に修復の義務が
課されることがあります。その場合は、部屋の所有者かつ専用使用権を付与された方の火災保険の「建物」部分にて
補償されます。
しかし、火災保険を利用できる場合とできない場合があるため注意が必要になってきます。
はじめに、修理可能なケースについて説明します。

雹(ひょう)でバルコニーが傷ついた場合

昨今、異常気象による天災被害が多く発生しています。
そのなかでも、雹による被害はかなりのダメージを負います。
例えば、バルコニーの屋根に雹が降った場合、硬く大きな雹によって穴があいてしまうなどの被害が考えられます。
このような場合、火災保険の契約内容に「風災・雹災・雪災」の補償が付帯されていれば
保険金を請求することができます。

台風で飛んできた物でベランダが破損した場合

台風で物が飛んできてバルコニーに被害を受けた場合は、雹災被害と同様に
「風災・雹災・雪災」の補償で対応されます。しかし、台風発生後は詐欺トラブルに要注意です。
台風などの天災が発生したあとには、様々な悪徳業者が家を訪ねてくることがあります。
保険では経年劣化による被害は補償対象外ですが、悪徳業者は「台風被害と偽って保険で直せますよ」
などと修理の勧誘をしてきます。結局、保険会社による査定で「経年劣化による消耗」と判断されて
保金が支払われず、高額な修理代を自己負担することになってしまう例もあります。
虚偽の報告で保険金請求することは詐欺罪に該当するため、知らないうちに犯罪に加担してしまう可能性も出てきます。
このような悪徳業者には十分に注意をしてください。

タバコ等の火の粉で近隣のベランダが焼けてしまった場合

自分の家ではなく、他人の家のベランダに被害をもたらしてしまった場合について考えてみましょう。
自身が吸うタバコから火の粉が舞ったことにより、近隣のベランダで火事が起きた場合はどうなるのでしょうか。
このケースでは、タバコの火の粉が飛んだことを「故意、重過失」としてみられるかどうかによって変わってきます。
日本には「失火責任法」という法律があるため、基本的には隣家への賠償責任は発生しません。そのため、
もらい火によって被害を受けた人は、自分の契約する火災保険で補償を受けることになります。
しかし、火元の原因が「重過失」と認められた場合は損害賠償責任が発生し、火元の方が隣家から賠償請求される
可能性がでてきます。そのような場合に備えるためにも、個人賠償責任保険や失火見舞費用保険金、類焼損害補償特約などの
特約を付帯しておくことをおすすめします。

子供が遊んでいて破損・汚損させてしまった場合

子供がベランダやバルコニーで遊んでいる最中、偶然に破損汚損してしまった場合も対象になります。
しかし補償を受けるためには、保険契約に不足かつ突発的な事故(破損・汚損)の補償を付けている必要があります。
あくまで偶然な事故に対して補償するものなので、故意で悪質な場合は対象外になる可能性があります。

火災保険でバルコニーの修理が適用できる条件

火災保険でバルコニーの修理費用を請求するためには、いくつかの適用条件があります。
ご自身の契約を確認して、適用条件に合致しているかチェックしましょう。

 

「バルコニー等修理費用補償特約」を契約している

火災保険を契約する際に、物件の対象建物は「共用部分」「専用部分」から選択されます。
分譲マンションの場合、共同住宅1棟は「共用部分」として引受をします。そのため、ルーフバルコニーは
「共用部分」とされることが一般的です。そして、基本的に共用部分はマンションの管理組合で火災保険を加入します。
共用部分に被害が発生した場合の補償は管理組合で契約した火災保険で対応します。分譲マンションの1部屋を購入した
場合は、「専用部分」として部屋の所有者が火災保険を掛けます。しかし、ルーフバルコニーが設置されている部屋に
お住まいの方には「専有使用権」が付与されます。そのため、お住まいのマンション管理規約によっては、
お客さまに専用使用権が認められている玄関扉や窓、バルコニーなどの共用部分は、所有者が加入している
火災保険の「バルコニー等修理費用補償特約」で補償対象となります。
ただし、管理規約によって修繕義務が発生した場合に限るため注意してください。
バルコニー等修理費用補償特約の有無は保険会社によって異なるため、ご契約の保険会社に確認しましょう。

 

「風災補償」を契約している

風や雪、雹による被害を修理する場合は、火災保険に「風災補償」を付帯している必要があります。
台風による被害は年々増えていますので、台風が過ぎ去ったあとはご自身の建物に被害があるか確認必須です。

「個人賠償責任特約」に加入している

ご自身のバルコニーやベランダを修理するために火災保険の建物を対象とした補償を付帯することが必要です。
一方で、他人のベランダを破損してしまった場合や、ご自身のベランダで発生した水濡れで下階に被害を与えてしまった
場合は「個人賠償責任特約」を付帯している必要があります。個人賠償責任特約では、ベランダから誤って植木鉢が
落下して他人の身体や財物を傷つけてしまった場合なども補償対象となります。バルコニーは、
どのような事故が発生するか予期できないため、個人賠償特約を付帯しておくと安心です。

 

火災保険でバルコニーの修理をする上での注意点

バルコニーの修理費用を保険金請求する場合、いくつかの注意点があります。
ひとつずつ確認し、間違いのないように請求をしましょう。

経年劣化は適用されない

経年劣化による被害は、保険支払いの対象外です。保険は基本的には偶然な事故に対して補償をするものであるため、
予測可能な経年劣化などの被害には保険金は支払われません。

故意に壊した場合

故意や重過失による事故は、補償対象外となります。
経年劣化が補償対象外になる理由と同じく、保険はあくまで偶然起こる被害から契約者を守るためにあるものです。
そのため、故意や重過失による損害に保険金は支払われません。

被害発生から3年以上経過すると補償を受けられない

保険会社の保険金支払い義務には3年の時効があります。
3年以上経過後の事故は、査定や事故原因の特定などが難しくなるため、このように時効が定められています。
被害を発見した場合、速やかに保険会社へ報告するようにしましょう。

持ち家等の場合工事費用が20万円未満だと補償を受けられない

保険の契約には「免責金額(自己負担額)」を設定することができます。契約が免責金額20万円設定になっている場合は、
修理金額(工事費用)が20万円以上にならなければ保険金が支払われません。ご契約の免責金額について、
しっかりと確認しましょう。保険証券を見てもわからない場合は、保険会社に連絡しましょう。

火災保険でバルコニーの修理をする手順

ここからは、バルコニーの修理費を火災保険で請求するための手順を説明します。

保険会社に連絡する

バルコニーに損害箇所を見つけた場合は、速やかに保険会社へ報告をしてください。
保険証券に事故時の連絡先が記載されているので、確認のうえ連絡しましょう。
最近では、オンライン事故受付やLINE受付などもできるようになり、24時間いつでもどこでも
簡単に請求できるようになりました。

被害状況を撮影する

修理をする前に、被害箇所の写真を撮影してください。
写真は、「建物の全景」と「被害箇所の詳細」を数枚ずつ撮影し、破損状況が写真だけでもよく分かるようにしましょう。
被害写真は、印刷して保険会社へ郵送する方法だけでなく、保険会社のオンラインシステムでアップロードする方法や、
メール等で送付する方法などがあります。

保険会社へ必要書類を提出する

保険会社から案内される必要書類をすべて揃えて提出をしましょう。速く揃えることで、保険金支払いも
スムーズに進みます。必要書類は、保険金請求書や被害写真、修理見積書などがあります。修理見積書は、
修理業者に依頼して発行してもらいましょう。被害箇所の写真と修理見積書を確認し、保険会社が査定を行います。
写真と修理見積書では査定が困難な場合は、現地調査が行われる可能性もあります。

保険金支払い

保険金の査定が完了し、支払い保険金額が確定した後に、指定口座へ保険金が振り込まれます。
振込先口座は、保険金請求書に記入欄があるため、ご自身の口座を指定することができます。
修理業者を指定することも可能です.

まとめ

バルコニーが偶然な被害にあったとき、被害原因によっては火災保険で補償される場合があります。
戸建てや分譲マンション、賃貸物件など、建物の所有状況によってケースが様々なので、被害にあったときは
すぐに保険会社へ相談しましょう。
建物の外側だから保険は使えないだろう、と諦めず、まずはご自身の火災保険内容を確認してください。

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